画人文人 よんじょう
南仏コートダジュール在住の日本人。藍の万年筆で描かれる独自の絵は不思議な魅力を放つ。個展で展示される100点ほどの絵はほぼ完売。アメブロのヨーロッパ部門で有名なブロガーでもある。
<南仏ネコ絵巻>ではフランスのネコにまつわるグッズやよもやま話をイラストとともに紹介します。
「フランス絵巻」
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一時帰国しますと、日本人が“ジョーシキ”として唱えている説がナンセンスにきこえる事がよくあります。その例の1つが、“炭水化物抜きダイエット”(いきなりネコと関係のないお話から始まりましたが、しばしお付き合いください……)。

日本人は痩せたい時に米を抜き、仏人は痩せたい時に米を食べる。
仏国では、米は主食ではなく“つけあわせ”。つまり、“野菜”扱いなんで、『大量に摂取しても太らない食品』とされております。メインの肉魚料理に米やパスタが添えられ、主食のバゲットとともに食べるのが日常の光景です。

(2015年版・ヨン画)

(2015年版・ヨン画)

日本でも、うどんと丼飯がセットになったメニューはありますけど、そこに食パンは付きませんよね。

では、なぜ、仏人はゴハンで痩せて、日本人はゴハンで太るのか? というのは、消化器の基本設定が異なっている為。要するに、燃費が違うんです。消化管にも、フランス仕様と日本仕様があるんですわ。

長い間、乳製品や肉を摂りつづけきた仏人の内臓とって、米は、ライトな栄養素。
一方、一汁一菜をはじめ、少量の玄米で畑仕事や肉体労働をこなしてきた日本人の内臓には、白米は“贅沢な栄養素”ということになります。
チーズやワインなど、ヘビィな食材を長年分解し続けてきた消化管と、性能が同じハズがない、ですよね。

飽食の時代で、ベロは急速に発達しても、ノドから下の内臓は、ベロの変化(スピード)に伴わないものです。パソコンやスマホで通信速度は劇的にアップしても、男女間の意思疎通は明治時代からそう変化がないのと同じことですわ。

逆に、省エネ体質の日本人は飢餓や貧困に強く、仏人は戦争になると(食糧不足になった途端)モロイ人種ともいえます。チーズの悦びを知らなければ、チーズの無い哀しみも知らずに済みます。

(2016年版・ヨン画)

(2016年版・ヨン画)

では、フランスのネコと日本のネコでは消化器官に差があるんでしょうか?

ネコの場合は、消化機能より、皮膚や毛など、(国の)空気に直接触れている部分に特異的な差が出そうな気がしますね。
たとえば、日本と仏国の決定的な習慣の違いは土足文化。
ネコの足裏には肉球があって、そこからフェロモンを出してるそうですが、畳の上で暮らす猫と、土足の床で暮らすネコでは、足の裏の感覚も違ってそう、じゃね?
ネコの足裏には、“抜き足さし足”の消音機能もありますけど、畳にはもともと音を吸収する効果がありますから、畳ネコはその機能を駆使せずに済みそう、じゃね?

ちょっとムリヤリなネコ比較ですけれども……。

ちなみに、人間で比較した場合、土足文化の仏人は、公の場で靴を脱ぐシーンがない分、足の裏は完全に油断しています。もし、日本人VS仏人で、ぬきうち“靴脱ぎテスト”を実施したら、<靴下に穴があいてる確率>が圧倒的に高いのは仏人です。

以前、ビックリしたのは、南仏のホテルに連泊中、仏人と西洋系の宿泊客の2~3人が、裸足で階段を上り下りしていた事。そして、その足の裏がマックロだった事。
足の裏が、不快を感じるセンサーが機能してないんでしょうね。公の建物内を裸足で歩くスキル自体、日本人の足裏には存在してないですよね。

そういえば。
先日、はじめて行ったマッサージ店で、イケメンのアンマ青年に『足裏のツボもついでに押しときましょうか?』と提案され、『ゼヒ!』とお願いしたら、『靴下は脱いでもらったほうがいいです』ってことで、予定外に、足の裏をさらけ出すことになりました。
『実家の床が汚れてたから、足の裏が汚れてると思うわあ』と、1人恥じらい、照れ隠しの言い訳をしましたが、青年は、そんなことは意にも介さず、慣れたプロの口調で『拭き取りから始めますね~』と、足の裏を丁寧に拭き始めました。
この時、足の指は勿論のこと、指と指の間まで、すごく丁寧に拭いてくださったのだが、今までの人生で、この部位~指と指の“踊り場”~を他人に触られた事がないことに気づきました。

<踊り場の図解>

<踊り場の図解>

踊り場は、両足左右で計8ケ所もありますから、にわかに微量の、官能に似た感慨をおぼえ、踊り場を無防備に委ねている間、青年をちょっと意識してしまいました。

長くなりましたが、『ネコの肉球からフェロモンが出ている説がワカランでもない』、という結論で〆ておきます。

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<巻末付録コーナー>
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<解析>
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①エジプト人型 ②ギリシャ人型 ③ローマ人型 ④ドイツ人型 ⑤ケルト人型(日本人の80%はエジプト型と言われています)