Part.1 ドイツで猫カフェ初体験
小雨の降るどんよりとしたお天気のある日、ドイツのミュンヘンで猫カフェに行ってまいりました。
前日に東京からミュンヘンに着いたばかり。疲れている身体にぴったりの場所、ミュンヘンのSchwabing(シュヴァービング)にある「Katzentempel(カッツェンテンペル)」です。
http://katzentempel.de/
このKatzentempelは、日本語に直訳すると、猫テンプルまたは猫僧寺といったところでしょうか。
癒されたい時にぴったりの場所です。
本当は気が向いた時にフラッと立ち寄りたいところですが、
超短期のミュンヘン滞在であったため、日本から予めインターネットで予約をしてからこの日は猫カフェに向かったのでした。
午前中に行ったのですが、案内された窓際の席からは、まさにドイツといった感じの曇りの天気と歩道を打つ雨粒の様子がうかがえます。
それでも窓際のこの席で、太陽がないのに、まどろむ猫。
ここがお気に入りの場のようで、寝たり、子供になでなでされたりと、とても気持ちよさそうです。
そう、ここドイツの猫カフェは「子供もオッケー」なんですね。ここKatzentempelに限らずドイツの猫カフェは、親がついているという条件で子供も猫カフェを楽しめるのです。猫を乱暴に扱ったりせず、猫ちゃんを大事にできるならば、何歳でも入店可としています。猫カフェ側は、ルールではなくあくまでも目安として「3歳ぐらいから」の入店が妥当だとアドバイスしています。
面白いのは、ドイツではカフェなどにペットの犬を連れて行く人も多いのですが、猫カフェに関しては「犬は入店禁止」というルールがあること。確かに猫と犬は必ずしも最初から仲良くなれるわけではないので、納得です。
雰囲気としては、お食事もできるごくごく普通のカフェに、猫がうろちょろしている感じ。
なお、スタッフが猫の食事を完全に管理しているため、お客さんが猫におやつをあげる「おやつタイム」や「ご飯タイム」はありません。でももちろん猫タワーはあります。
カフェに猫が6匹いるはずでしたが、人間のトイレのドアの前にずっといる猫ちゃんとか、
とうとう最後まで姿を現さない猫もいました。
ドイツの人間と同じく猫もまたマイペースのようです。
さて、このKatzentempelの特徴といえば、多くのドイツの猫カフェがそうであるように、食事は基本的に自家製で有機栽培のものを多く使っています。お店のホームページでも「当店でジャンクなものは出しません」と宣言しています。
私はMüsli(ミューズリー)、そして一緒に行った幼馴染の男性はタイカレーを頼みました。(※Müsliは元々スイスの食べ物で、オートミールに、穀物やナッツ、ドライフルーツなどをブレンドしたもの。ドイツ人はこれをヨーグルトにのせたり、新鮮なフルーツと一緒に食べるのが好きです。)
時おり猫に見つめられながらゆっくりとブランチ。ゆったりとした時間が流れます。
食後もハーブティーを飲みながらゆっくりとおしゃべりを楽しみました。
店内には子供も何人かいて、私の隣には先ほど上に書いた6歳ぐらいの男の子がお母さんと一緒にブランチしながら、時より横にいる猫ちゃんをナデナデしていました。それにしても猫ちゃんも6歳児もお行儀のよいこと。
奥にいたやんちゃな女の子は、目を閉じてリラックスしている猫を何度もつついたりして、店員さんが「猫がイライラしちゃうから、つつかないでね」と優しく注意していました。
そんなこんなで、こちらKatzentempelもそうですが、ドイツの猫カフェには、「猫が不快に思うことはしないでね」という決まりはもちろんあるのですが、それ以外は特に細かいマニュアルはなく、お客さんは自由なのですね。私が今回行ったKatzentempelも全体的におおらかな雰囲気のカフェでした。
ただ裏話をすると、猫カフェの経営者に対するルールは厳しいです。猫一匹について少なくとも20平方メートルの場所がないといけませんし、猫が人間から離れてリラックスできるスペースを一角に設けることが義務づけられています。
なにはともあれ、お客さんにとっても、そしておそらく猫にとっても、どこまでもゆったりとした雰囲気のドイツの猫カフェ。
人間と猫はもちろん、その場に居合わせたお客さん同士でお話しをしたりと、ドイツの猫カフェは人間と人間が触れ合う場でもあるのでした。
タイトルどおり今回は「初猫カフェ体験」(日本でも猫カフェに行ったことがなく、ここのKatzentempelが初体験)でしたが、きたる8月8日は『国際猫の日(世界猫の日)』ですし、また日本の猫カフェにも足を運びたいと思います。またレポートします! 楽しみにしていてください。
サンドラ・ヘフェリン
ドイツ・ミュンヘン出身。日本歴20年。 自身が日独ハーフであることから、≪ハーフはナニジン?≫、≪ハーフと国籍のお話≫、≪ハーフとバイリンガル教育≫、≪ハーフと日本のいじめ問題≫など「多文化共生」をテーマに執筆活動をしている。ホームページ「ハーフを考えよう!」http://half-sandra.com/を運営。著書に「ハーフが美人なんて妄想ですから!!」(中央公論新社)、「爆笑!クールジャパン~え?外国人は日本をそう思っていたの・・・!?~」(アスコム/片桐了との共著)、「満員電車は観光地!?~世界が驚く日本の「日常」~」(KKベストセラーズ/流水りんことの共著)、「男の価値は年収より『お尻』!?ドイツ人のびっくり恋愛事情」(KKベストセラーズ/流水りんことの共著)などがある。