サンドラ・ヘフェリンの日独猫カフェ紀行

Part.2 猫カフェ体験@ニッポン

ある雨の日、都内で歩き疲れ、ふと上のほうを見ると、そこには猫カフェが。そう、ここは猫カフェMoCHA原宿店

ドイツでの猫カフェ初体験時も雨でしたし、どうも私サンドラは雨の日に猫カフェというものに縁があるようです。

さっそく入ってみると、空間はこんな感じです。

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ドイツの素朴な猫カフェと比べると、日本の猫カフェは猫タワーを含むインテリアにこだわりが感じられ、どの角度から見ても「絵になる」おしゃれな雰囲気という印象です。

さてさて、猫ちゃんはというと、スコティッシュフォールド、アメリカンショートヘア、ベンガル、マンチカン、ペルシャ猫など色んな猫ちゃんが在籍しています。

みなさん「人間慣れ」しているようで、気持ちよさそうに人間になでなでされている猫ちゃんもいれば、マイペースにずっと眠り続ける猫ちゃんも。

やはりというか、当たり前なんですけど、猫ちゃんがマイペースなのは、万国共通なのですね。そんなマイペースというか“猫ペース“な彼らをお部屋の色んな角度から眺めることができます。すみっこで丸まっていたり、おやつに夢中の猫ちゃんがいたり。ボーッとしながら、そんな猫ちゃんたちを眺めていたら、いきなりサーッとそれは物凄いスピードで部屋の中を走り出した猫ちゃんがいて、店内がかなり盛り上がりました。

猫慣れしているというか猫カフェ慣れしている常連さんも多いようで、スティックのおやつを猫にあげている女性は本当に猫ちゃんとピッタリ息が合っていました。

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前回ご紹介した「ドイツの猫カフェ」は、どちらかというと人間は人間で楽しんで、猫は猫で楽しむという感じなのですが、日本の猫カフェのお客さんは、みなさんかなり積極的に猫ちゃんと交流しています。

ドイツの猫カフェが「人間が飲食を楽しんでいる場に猫もいる」という空間ならば、こちらの猫カフェMoCHA同様日本の猫カフェでは人間が食事するスペースは設けておらず、あくまでも「猫ちゃん中心の空間に人間がお邪魔する」という形をとっているのですね。そしてこの空間が人間に日常のあわただしさを忘れさせてくれます。

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猫カフェMoCHAはかなりの人気店のようで、実は入店の際、入り口で15分ほど待ちました。ルールとして、お店に入る前に手を消毒、荷物はロッカーに預ける、前述どおり食事は不可(ドリンクは可)、子供の入店は不可など様々な規定があります。料金設定は10分が200円で、ドイツのルールが特に無いゆるい猫カフェと比べると、ちょっとあわただしい印象がしないでもありません。が、店内は衛生的でとても居心地の良い空間が広がっています。猫を見ていて癒されるのは万国共通らしく、原宿という場所も関係しているのか、店内では外国人観光客をたくさん見かけました。彼らは猫の写真はもちろん、窓から見える東京の風景も写真に収めていました。大都会・東京の「喧騒」と「自然」の不思議なマッチです。

改めて感じるのは住居もそうなのですが、猫カフェなどの空間においても、窓が大きいと、たとえ雨の日や曇りの日であっても、自然の光が広く室内に入ってくるという「心地よさ」。自然の明かりが猫も人間も優しく包んでくれます。

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…とぼんやりしていたら、仕事の時間が迫っていることに気づきます。もう少しこの空間に包まれていたかったけれど、仕事仕事!…また遊びに来ます。

 

もし日々のバタバタに疲れてしまった時には、猫カフェ、おススメです。猫と戯れるのもよし、またはマイペースに読書をするのもよし。癒しの空間です。筆者が訪れた猫カフェMoCHAは10分から入店可能(原宿店は30分からのご利用をお願いしています)なので、忙しい合間を縫ってでも行けるのが利点ですね。

今回は、2回にわたって、ドイツの猫カフェ、そして日本の猫カフェ体験記をお届けしました。

最後に。日本の猫カフェとドイツの猫カフェの違いをパッと挙げるとすると。ドイツの猫カフェは「自然体で自由」、そして日本の猫カフェは、ちょっとルールは厳しいけれど「おしゃれな癒しスポット」といったところでしょうか。

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サンドラ・ヘフェリン

ドイツ・ミュンヘン出身。日本歴20年。 自身が日独ハーフであることから、≪ハーフはナニジン?≫、≪ハーフと国籍のお話≫、≪ハーフとバイリンガル教育≫、≪ハーフと日本のいじめ問題≫など「多文化共生」をテーマに執筆活動をしている。ホームページ「ハーフを考えよう!」http://half-sandra.com/を運営。著書に「ハーフが美人なんて妄想ですから!!」(中央公論新社)、「爆笑!クールジャパン~え?外国人は日本をそう思っていたの・・・!?~」(アスコム/片桐了との共著)、「満員電車は観光地!?~世界が驚く日本の「日常」~」(KKベストセラーズ/流水りんことの共著)、「男の価値は年収より『』!?ドイツ人のびっくり恋愛事情」(KKベストセラーズ/流水りんことの共著)などがある。