第十二回『まんが ねこねこ横丁』の取材モデルとして登場いただいたのは、明るく頼りがいのある先生と優しい看護師さんたちの活躍する「ノワール動物病院」です。可愛らしい配色と動物インテリアが飾られた院内では、初めてでも緊張感が和らぐ空間作りで病院ということを忘れてしまいそう。愛するペットとの暮らしには今や欠かせない動物病院という場所で、その個性的な病院名の由来や、そしてもちろん看板猫のクロちゃんについても伺ってきました。

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名前とリンクする黒猫のシルエットが入った看板が印象的

Q.初めに開院しようと思われたきっかけや、この場所を選んだ理由などはありますか?

2000年に獣医になり1年間都内で働いたその後は、ずっとこの地域の動物病院で勤めていましたので、この場所を選びました。同じ職場で働いていた看護師さんと共に開業して、その流れもあって患者さんは古い方では17年、二代目という方もいらっしゃいます。

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明るく親しみやすい飾り付けの受付

Q.犬や猫が多いと思いますが、他にはどんな患者さんが来られますか? これまでに珍しい患者さんはいらっしゃいましたか?

最近“デグー”の患者さんが多いです。2~3年くらい前より増えてきました。臨床データが少なく小さくてすばしっこいため診察が難しいです。
※デグー:チリ山岳地帯出身のネズミ目(げっ歯類)
犬猫に比べてエキゾチックペットの患者さんは、できることが限られる場合も多いので症例により専門の病院を紹介したりもしています。
※犬猫以外の動物を業界ではエキゾチックペットと呼んでいます

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広々とした待合室には、 動物本や看板猫クロちゃんのアルバムも

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2つ並んだ診察室のドアにも動物が♡

Q.診療するにあたり特に大切にされていることはありますか?

動物そして飼い主さんにもストレスをかけないようにすることが一番。特に初めての場合は病院に来られて緊張されている方が多いので気遣うようにしています。

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ピンク色が基調で穏やかな印象の診察室1

Q.このお仕事をされていて良かったことはありますか?

たくさんの動物に会えること!
子供の頃から動物は大好きで、小学校の文集に「獣医さんになりたい」と書きました。

Q.このお仕事をされていて大変だと思うことはありますか?

気持ちが通じないことがあるところ。治療のためには嫌がることもしなければならない時もあるので、その思いが伝えられず動物に理解してもらうことができないのが辛いです。言葉で会話できない分、痛いところを触ったりして「どうして!」と思われてしまったりもするので難しいです。

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治療に必要な様々な検査機器たちが並ぶ

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犬の患者さんが休んでいた、水色が基調の診察室2

Q.病院での忘れられない出来事はありますか?

先代の看板猫・クロが亡くなったこと。出会ってから13年ずっと一緒にいたので…。
病院に捨てられていた時にはすでに成猫で、ケガをしていて足が悪い状態でした。育てることに決め治療とリハビリをして、ジャンプはできなかったけれど歩けるようになり病院の看板猫に。犬のことも平気で怖がらない猫でした。
この病院の名前も先代クロがいたことから、スタッフたちと一緒にいいんじゃないかと選んだことがきっかけで名付けられました。

病院の看板にもなっている猫のシルエットは、短い尻尾がチャームポイントだった先代クロちゃんの姿が使用されおり、これからもずっと「ノワール動物病院」に寄り添い続けます。ここからは、そんな先代の跡を継ぎ二代目看板猫となったクロちゃんについてお聞きしました。

Q.クロちゃんはどのようなきっかけで「ノワール動物病院」に来たのでしょうか?

当院の飼い主さんが保護された子猫4匹のうちの1匹で、里親を探されていてその中に黒い子がいるとお聞きして引き取ることになりました。

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ダンディな決め顔で登場のクロちゃん

Q.クロちゃんの名前の由来はありますか?

先代のクロを受け継いで、二代目“クロ”になりました。

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ツヤのある黒毛がとても美しい

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写真タイルの中にいるのが先代クロちゃん

Q.クロちゃんはどんな性格ですか?

黒い赤ちゃんという感じですね。まだ若いし、私が育てたせいか甘えん坊でヘタをしたら24時間一緒。息子よりも一緒にいる時間が長いです。
時おり家で待機もありますが、そばにいないのは落ち着かないです。状況により普段使っている部屋が使えない時には自宅で過ごすことがあるので。

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先生の足元を行ったり来たり

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ちょこんと座る姿が本当に赤ちゃんみたい

Q.院内ではどのように過ごしていることが多いですか?

院内では自由に過ごしています。外へ出たりもありません。
気の向くままに診察室へ来て見学したり、時には邪魔をすることも。それ以外にはハウスで休んでいることも多いです。
時には待合室で患者さんたちが順番待ちをしているところに、イスに乗って一緒に並んでいることもあります。

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オモチャを必死で追いかけキャッチ

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寝転んで手でつついてみたり…

Q.人や動物の好き嫌いなど好みはありますか?

特にはないのですが、実は嫌いな子が猫に1匹。相性が悪いのでしょうか…。
入院している子で点眼の治療を2時間おきにするので、皆がたくさん構っているのが気に入らないのかもしれません。
犬は騒がしい子はさすがに苦手です。

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院内パトロール終了、異常なしニャ

Q.クロちゃんのチャームポイントや可愛いところ、逆に困ったことなどはありますか?

蝶ネクタイが似合い好評です。飼い主さんたちから頂いたりもします。一部で“軽部さん”と呼ばれています(笑)。
衣装替えのペースは季節ごと(早ければ1ヶ月ごと)くらいに変わっていきます。ラインナップはプレゼントなどでたくさん増えて、体が黒いので蝶ネクタイがとても映えます。
留守番をさせると家のベッドでウンチをしてしまうことが…。レバータイプのドアノブは開けられるので、全ての部屋のドアが開放されてしまっていたり1人でいることに弱い。

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こちらが自慢の蝶ネクタイコレクション!

Q.お気に入りの場所やオモチャなどはありますか?

診察室にある台の下や間に入ったりもしますが、患者さんたちに気づいてもらえていない時もあります。最近のお気に入り場所は新しいキャリーバッグ。元々バッグは好きで、患者さんのキャリーやお客さんのビジネスバッグに入ってしまうこともあります。
レジ袋を折り畳んだオモチャが大好きで、追いかけて犬のように咥えて持って来たりもします。

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お気に入りのバッグが来たので入ります

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先生はそばにいるし、あー落ち着く~

Q.クロちゃんは「ノワール動物病院」にとってどんな存在ですか?

私にとっては癒し。
病院にとっては大事なスタッフ、人気スタッフです。

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院内を明るく和ませてくれる大切な仲間です

動物を飼われている方や読者の方に伝えたいことがありましたら是非お聞かせ下さい。

とにかく気軽にご相談にいらしてください。初めての方でもいつでも入りやすい雰囲気を心がけていますので。最近はクロが受付で応対してくれることも多くあります。当院にカルテのある方でしたら、写真撮影だけでも大丈夫です。

病院では季節ごとに患者さんのおめかし写真を撮り、皆で元気な姿を見て楽しめる企画が工夫されており取材時はサマーコレクションの真っ最中。診察室の壁側にズラリと並んだ衣装はこのためだったのだと、夏バージョンはもちろん今後もどんな可愛らしい写真たちが並んでいくのかとても楽しみになりました。
患者さんと飼い主さんのことを第一に、細やかな心配りと丁寧な医療で地域から愛されている「ノワール動物病院」。子供の頃からの夢を叶え獣医師となったカッコイイ暮地先生と、確かな技術を持つ看護師さんたち、そして看板猫のクロちゃんと一緒に素敵なチームワークでこれからも多くの動物たちの心強い味方になってくれることでしょう。

オマケ

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ねこ長、和装で渋さを醸し出せず…

 

 

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ノワール動物病院
〒214-0037
神奈川県川崎市多摩区西生田2-6-7
診療時間/9:00~12:00
     15:00~18:00
日曜・祝日/休診日

ホームページ⇒http://www.noir-ahp.com/
blog⇒http://ameblo.jp/kitamura-ah/
facebook⇒https://www.facebook.com/ノワール動物病院-153614878114027/

(2017年8月現在の情報です)

「ノワール動物病院の巻ニャ」も読める『まんがねこねこ横丁』はこちら
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