画人文人 よんじょう
南仏コートダジュール在住の日本人。藍の万年筆で描かれる独自の絵は不思議な魅力を放つ。個展で展示される100点ほどの絵はほぼ完売。アメブロのヨーロッパ部門で有名なブロガーでもある。
<南仏ネコ絵巻>ではフランスの猫にまつわるグッズやよもやま話をイラストとともに紹介します。
「フランス絵巻」
17-1
<パリジェンヌと猫は似ている。気ままで自然体、自分が興味のある事には夢中になるけれど、飽きたら見向きもせず通りすぎる。ひとりの時間を愛していて、恋人や家族であってもその間だけは邪魔されたくない>
(“FIGAROジャパン”5月号“パリジェンヌと猫とのスイートな関係”より抜粋)

今回は、モード雑誌の“パリ特集”に出てくる記事を考察してまいりましょう。

冒頭の文、パリジェンヌじゃなくても、“わたしもネコだ!”と思った日本ジェンヌも多いんじゃないかしら?
少なくとも、ヨンジェンヌ(わたし)は、完全にそうですわ。

ヨンジェンヌは、人と関わることも大好きな反面、1日のうちに1人になる時間を必ず確保していますんでね。それをしないと、精神の均衡が崩れてくるんです。

たとえ、仲良しの友人でも、ラブラブの愛人でも、朝から晩までベッタリ一緒に過ごしたいとは思いませんね。

ってことは、誰かと一緒にいる時には“猫をかぶって”いて、ひとりになるとホっと息をついてるのか?
というと、それとはまた全然違うんですよ。人と会って疲れることは無くて、ものすごく楽しいのです。
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じゃあ、なぜ1人時間が要るのか?
というと、たぶん、エネルギー(気)の問題なんでしょうね。
他者と関わるということは、エネルギー(気)の交感ですから、どんなに楽しい相手であっても、気は遣っているのが普通。

自分の中に混ざった気を、元に戻すべく調整しているのが1人時間、なんじゃないでしょうかね。

大好きな人となら、いればいるほどエネルギーが満ちるのでは?
というとそうでもないハズですよ。
たぶん、エネルギーも一定域を超えると、自然の理で、下降する性質があるんじゃないカシラ。肉が熟成しすぎると腐るように。

そもそも、人間同士に軋轢が生じるのは、ベッタリ親しくなってから、のほうが圧倒的ですけど、エネルギーを過度に注ぎすぎた結果、腐りかける現象ではなかろーか。
最初は新鮮だった人が、途中から鼻についてくるのは、エネルギーが滞って変性した結果だと思いますわ。

これもネコから学べる真理なんです……。

ネコは、自分を愛してくれる人が好きですけど、かまわれすぎると飽きます。なぜなら、スグ満腹になるから。
つまり、相手のエネルギーが自分の中に入り込みすぎて、それに支配されることを嫌うんです。
他者のエネルギーは、良いものでも悪いものでも、自分にとっては異物には違いないので、閾値を超えると排除に向かうのです。
たとえば、とくに女の人は、好きな人(異性、同性に関わらず)のすべてを把握したくなって、愛情を一方的に注ぎすぎ、満腹にした結果、その相手から嫌悪される傾向があります。
満腹にしてしまっている側にはそのことがわからず、さらに相手に振り向いてもらう策を弄して、墓穴を掘るわけです。

だいたい、そういうタイプの人は、相手(他者)に関心がいきすぎで、自分自身のことがおろそかになっているんですよね。
まずは、我が身を充実させることに専念すると、大方のことは解決します。

これは、ネコに学ぶ美容術にも通じる事なんです。
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ネコは、気に入らないことに対してネコパンチを食らわせ、“シャーっ“で威嚇し、あからさまに相手を拒絶します。
これはとりもなおさず、外部のエネルギー(異物)を自分の中に取り込まないための防衛本能で、自分の細胞が異物で汚染されない為の自浄作用でもあります(仮説)。
ネコが、何歳になっても老けず、エレガントで美しいのは、そうやって自分本来の純粋なエネルギーをキープしているからなんですね(強引な持論)。
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“自己犠牲で他者に尽くしている人”が、”イイ人なのに所帯やつれしている“のも同じ原理です。

最近は、やつれずに、無駄な贅肉をため込むケースが多いそうで、国際的エステシャンである知人がこんなことを言っていたのを思い出しました。
いままで何万人の女性のカラダを触ってきて、ある共通点に気づいたらしいです。

「口で言ってることと、お腹の中が違う女性は、変な太り方をしています。文字通り、口から下だけが妙な太り方になっていて(下半身にむかって)ぜい肉を溜めてしまうんです」
心と頭(言動)が一致してない違和感が、濁ったエネルギーとして体内に燻ぶり、贅肉と化すんですね。

ぜい肉=無駄、ってことですから、この体型の女性は、ネコ式をマネて、“無駄をやめてみる”といいんですよ。
言葉でイイ恰好するのをやめて、世間からみて“しおらしい自分”もやめて、本当にやりたいことをやり、自分を不愉快にする人とは距離を置くと。
それだけで口から下のぜい肉がスッキリ取れて、内側から輝きを取り戻す、かもしれません。
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飼いネコが、自分勝手で気ままに生きていけるのは、”どうせ自分は愛されている”という絶対の自信があるからです。
ネコパンチを食らわせようが、相手が自分にひれ伏すことがわかっているのです。

ネコのように、自分の価値を下げない生き方をした時に、世界が自分を認めるのです。

自分の価値がワカラン奴は? とっとと猿が良い。
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ということでオシマイ。